紅葉と季節の移り変わりの時期
暑い夏がようやく終わり、空気がふっと軽くなる頃。街路樹の色が少しずつ変わり、紅葉が始まると「季節が進んだな」と実感します。秋から冬へ向かうこの時期は、景色が美しい一方で、体にとっては意外と“手ごわい季節”でもあります。
今年は特に、気温の落差が大きく感じられます。朝晩は冷えるのに日中は暖かかったり、昨日は上着がいらなかったのに今日は手がかじかんだり。こうした寒暖差が続くと、自律神経が忙しく働き続け、体調のコントロールが難しくなることがあります。なんとなく疲れが抜けない、眠りが浅い、肩こりが強い、頭が重い、胃腸の調子が揺らぐ——そんなサインが出やすいのも、この季節の特徴です。
体調を整えるコツは、派手な対策より「小さな安定」を増やすこと。たとえば、首・手首・足首を冷やさない服装にする。寝る前のスマホ時間を少し減らして睡眠の質を守る。湯船に浸かって体温をゆっくり上げる。温かい飲み物や汁物を一品足す。どれも地味ですが、積み上げるほど体の“揺れ幅”が小さくなります。
そして、紅葉は「変化はゆっくりでいい」と教えてくれる景色でもあります。いきなり真っ赤になる葉はなく、少しずつ、日ごとに色を重ねていきます。私たちの体調も同じで、完璧にコントロールできない日があって当然です。大切なのは、崩れたときに自分を責めるのではなく、「戻すための手当て」を淡々とできること。
当院でも、季節の変わり目に多い不調について、ひとつひとつ丁寧にお話を伺っています。症状が軽いうちに相談することで、長引かせずに済むことも多くあります。「この程度で受診していいのかな」と迷うようなことこそ、気軽にご相談ください。
紅葉が深まり、冬の足音が近づく今。変化の季節を、無理なく、穏やかに乗りこえていけますように。スタッフ一同、あたたかい気持ちでお迎えいたします。


