医療ダイエットとは?自己流ダイエットとの違いと、受信を考える観やす
「ダイエットを始めても、いつも途中で挫折してしまう」
「食事を減らしているのに、なかなか体重が落ちない」
「医療ダイエットに興味はあるけれど、普通のダイエットと何が違うの?」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
最近では「医療ダイエット」という言葉を目にする機会が増えていますが、医療ダイエットとは、単に薬を使って体重を減らすことではありません。
医師が現在の健康状態や生活習慣、持病、服用している薬などを確認し、必要に応じて検査を行いながら、医学的な視点から適切な体重管理を考えていくことが大切です。
今回は、自己流ダイエットと医療ダイエットの違い、そして「一度医療機関に相談してみてもよい」目安についてご紹介します。
自己流ダイエットと医療ダイエットは何が違う?
一般的なダイエットでは、
・食事量を減らす
・糖質や脂質を控える
・運動量を増やす
・市販のダイエット食品を利用する
など、ご自身で方法を選びながら体重を減らしていくことが多いと思います。
もちろん、食生活を見直したり、適度な運動を行ったりすることは、健康的な体重管理の基本です。
一方で、体重が増える理由や痩せにくくなる理由は、一人ひとり異なります。
食生活だけではなく、筋肉量や活動量、睡眠、年齢、ホルモンの変化、服用している薬、さらには糖尿病や甲状腺疾患などの病気が関係していることもあります。
医療ダイエットでは、単に「食べる量を減らしましょう」と考えるのではなく、
「なぜ体重が増えているのか」
「健康上、どの程度の減量が必要なのか」
「どのような方法なら安全に続けられるのか」
という点を医学的に確認しながら進めていきます。
医療ダイエット=薬によるダイエットではありません
「医療ダイエット」と聞くと、注射や飲み薬を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、薬は体重管理の方法の一つにすぎません。
まず大切なのは、現在の体重やBMIだけではなく、血圧、血糖値、脂質、肝機能などを含め、体全体の状態を把握することです。
そのうえで、
・食事内容の見直し
・運動や日常活動量の調整
・睡眠の改善
・生活リズムの見直し
・必要に応じた栄養指導
などを組み合わせていきます。
医学的に必要性がある場合には薬物療法が選択肢となることもありますが、すべての方に薬が必要なわけではありません。
また、短期間に急激に体重を落とせばよいというものでもありません。
近年はGLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬などを用いた治療が注目されていますが、過度な食事制限や急速な減量には健康上のリスクもあります。
大切なのは、「できるだけ早く体重を落とすこと」ではなく、健康を守りながら適切な体重を目指し、それを維持することです。
体重だけでなく「健康への影響」を考えます
医学的には、単純に体重が多いか少ないかだけで治療の必要性を判断するわけではありません。
同じ体重やBMIであっても、
・血糖値が高い
・血圧が高い
・コレステロールや中性脂肪が高い
・脂肪肝を指摘されている
・睡眠時無呼吸症候群が疑われる
・膝や腰への負担が大きい
など、体重によって健康上の問題が生じているかどうかが重要になります。
逆に、「もう少し痩せたい」という希望があったとしても、医学的には減量が必要ない場合もあります。
体重計の数字だけではなく、「健康のために体重をどう考えるか」という視点が、医療ダイエットでは重要です。
こんな方は一度ご相談ください
次のような場合には、一度医療機関で相談してみることをおすすめします。
何度もダイエットとリバウンドを繰り返している
短期間で体重を落としても、その後元に戻ってしまうという方は少なくありません。
極端な食事制限を繰り返すのではなく、長く続けられる方法を一緒に考えていくことが大切です。
食事や運動に気をつけても体重が減らない
「食べ過ぎているつもりはない」「運動もしているのに痩せない」という場合には、一度生活習慣だけでなく、体の状態についても確認してみましょう。
甲状腺機能の低下など、病気が体重増加に関係することもあります。
健康診断で血糖・血圧・脂質などを指摘された
体重増加は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、脂肪肝などと関連します。
健康診断で数値の異常を指摘されている場合には、「見た目のために痩せる」というよりも、将来の生活習慣病を予防するという視点から体重管理を考えることが大切です。
お酒をあまり飲まないのに脂肪肝を指摘された
脂肪肝というと、お酒の飲み過ぎによるものを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、肥満や糖尿病、脂質異常症などの代謝異常を背景として、肝臓に脂肪が蓄積することもあります。
こうした脂肪肝のうち、肝臓に炎症が起こっている状態を「MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)」と呼びます。以前は「NASH(非アルコール性脂肪肝炎)」と呼ばれていた病気です。
MASHでは、一部の方で肝臓の線維化が進行し、将来的に肝硬変や肝がんにつながる可能性があります。そのため、脂肪肝は「お酒を飲んでいないから大丈夫」「症状がないから大丈夫」とは限りません。
特に、健康診断などで脂肪肝に加えて肝機能異常を指摘されている場合には、原因や肝臓の状態を一度詳しく確認することが大切です。また、肝機能の数値が正常であっても、肥満や糖尿病などのリスクがある方では注意が必要な場合があります。
当院の医療ダイエットで使用することのあるチルゼパチド(マンジャロの有効成分)は、GIP/GLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬剤です。海外の臨床試験では、線維化を伴うMASHの患者さんに対して、MASHの改善効果が報告されています。
ただし、マンジャロは日本ではMASHの治療薬として承認されている薬ではありません。脂肪肝がある場合も、まずは肝臓の状態や糖代謝、脂質、体重などを総合的に評価したうえで、その方に適した治療を考えることが大切です。
最近、急に体重が増えた
数か月のうちに明らかに体重が増えた場合には、食生活だけが原因とは限りません。
むくみやホルモンの異常、服用している薬などが影響していることもあります。
特に、
・強い疲労感がある
・むくみがある
・寒がりになった
・息切れがする
・体重が短期間で大きく変化した
といった症状がある場合には、一度医療機関で相談してみましょう。
いびきや日中の眠気が気になる
肥満と睡眠時無呼吸症候群は深く関連しています。
「大きないびきをかく」
「睡眠時間をとっているのに日中眠い」
「朝起きても疲れが取れない」
といった症状がある方は、体重管理とあわせて睡眠の状態を確認することも重要です。
自己流で頑張り続ける前に、一度体の状態を知ってみませんか?
ダイエットがうまくいかないと、
「もっと我慢しなければ」
「もっと運動しなければ」
と考えてしまいがちです。
しかし、体重が増える背景は人によって異なります。
大切なのは、現在の体の状態を知り、ご自身に合った方法を見つけることです。
医療機関に相談することは、「薬を使って痩せること」を意味するものではありません。
まずは健康状態を確認し、必要な減量目標や、そのための方法を一緒に考えていくところから始まります。
関町ゆいクリニックでは、健康を維持するための医療ダイエット外来を行っています。
当院では、体重だけを見るのではなく、これまでの病歴、現在服用しているお薬、生活習慣、血糖値などを含めた健康状態を確認し、お一人おひとりに合わせた体重管理を一緒に考えていきます。
必要に応じて、採血や栄養指導なども行います。
また当院では、糖尿病・甲状腺・内分泌代謝をはじめとした内科診療にも対応しています。
「自己流のダイエットを続けているけれど、なかなか結果が出ない」
「健康診断の数値も気になってきた」
「一度、自分に合った体重管理について相談してみたい」
という方は、お気軽にご相談ください。
無理に体重を落とすのではなく、これからの健康を守るための体重管理を一緒に考えていきましょう。
■■■監修■■■■■
関町ゆいクリニック
院長 金子雪絵 医師

