結コラム

COLUMN

縄文時代の<ゆい>

2020年6月9日

 院長の風間です。

 50才を過ぎた頃より何故か博物館巡りが好きになり、上野界隈では国立科学博物館を年に何度かふらっと訪れます。その際必ず立ち寄るのが、常設展2階北翼にある人骨の展示です。私は、定期的にこの展示を見て医師としての心構えを新たにしています。やや長くなりますが、解説を引用します。

縄文時代の手厚い介護

この縄文時代の10代後半の個体(おそらく女性)の四肢骨は、異常に細い。おそらく幼少時に小児麻痺か何かの病気にかかり、麻痺したまま一生を寝たきりで過ごしたものと思われる。彼女がこの年齢まで生きることができたのは、縄文時代にあっても仲間の手厚い介護があった証拠と考えられる。(入江貝塚 北海道)

 

 現代ほど住環境や食料事情に恵まれていなかったはずの縄文時代においては、身近な家族だけで介護ができたとは思えません。家族の枠を超えた共同体の住民同士の協力がなければ成しえなかったことではないでしょうか。文字が無かった時代ですが、骨が<ゆい>の存在を雄弁に物語ってくれています。ヒトというものは、困っている仲間がいれば助けるという本性を持っているということなのでしょうが、現実世界では必ずしもそうなっていないですね。時々この骨を見て、私自身も本当に患者の皆様方のお役に立てているのかを振り返り、自らの行動を正すように意識しております。

 関町周辺にも縄文時代の遺跡が幾つか存在しているようです。当時の人々の生活にも思いを馳せながら、私たち職員一同、現代の関地区における<ゆい>に少しでも貢献できるよう努力して参る所存です。

 

風間広仁

 

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